今日も庵では、お手前もせんと、ただぼぉっとしてて、身の入らへんお稽古がつづいてます。せやけど、なんとのう茶箱のお稽古は苦手やし、これはこれで、のんびりしてて、ええ時間です。水屋の棚を見渡しますと、あたらしい桔梗のお茶碗が置いたぁりました。桔梗は大好きなお花のひとつです。しばらく手にとって眺めさせてもらいました。
桔梗で有名なとこゆうたら、庵のちかくですと「晴明神社」です。安倍晴明の大騒ぎも、ぼちぼち落ち着いたとおもいますけど、「晴明神社」を訪れはるおひとは、まだまだ、たんといたはるみたいです。もともと、生まれたお子に名前をつけてもらう神社さんやて、聞いてますけど、ちょっと前までは、前を通ってもわかれへんような地味な神社さんでした。それが今や社殿もえらいりっぱになって、けっこうなことです。こちらのご神紋は「五芒星」で、桔梗の花に似てることから「晴明桔梗紋」とゆうらしいです。
このご神紋、素人考えですけど、晴明はんのご養父が賀茂姓やったことに由来してるんかも知れまへんなぁ。「賀茂氏」や「秦氏」は平安京の出来るずっと以前から、この地の河を治めてたひとびとで、朝廷ともたいそう深うかかわってたみたいです。
このひとびとは、ちょっと謎めいていて、その起源がいろいろ取りざたされてます。詳しいこと云いだしたら長なるんで、やめときますけど、「秦氏」ゆかりの祇園さんにも「六芒星」のご紋がいまに伝わってます。遠くユダヤの「ダビデの星」と同じこのご紋は、ユダヤ教では、悪魔や精霊を従わせる力があるとされてるそうです。安倍晴明と祇園さんのかかわりも、実は浅からぬものがあったらしく、むかしの祇園舎の神官の名ぁは皆、「晴」の字がついてたそうです。
そうそう、夢を壊すようでなんなんですけど、最近の調査によると、安倍晴明の邸跡は「晴明神社」ではのうて、今の「京都ブライトンホテル」の駐車場のあたりにあったそうです。意外と「式神」は「一条戻り橋」の下やのうて、ここの宿泊客の車の下に眠ってるんかもしれまへんなぁ。